【経営者対談】日本の英語教育に物申す!英語が好きになるアプリ「マグナと不思議な少女」
今回の記事は、英語物語の開発者であるゴンが、英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」開発者の片山さんに取材した際の内容をまとめた対談記事です。
同業者でありながらも、英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」のアプリ内での壮大なアニメーションと片山社長の思いに心を打たれたました。
アプリ開発者として、ファンとして、是非とも片山社長のお話しを聞きたいと思いオファーをしたところ、快く引き受けてくださり今回の対談が実現しました。
片山社長の魅力はもちろん、マグナとふしぎの少女の制作ストーリーまで詳しく話していただけたので、3記事にわたり紹介していきます。
驚くくらい完成度の高いアプリなので、ぜひ最後まで読んでみてください!
- #1【経営者対談】日本の英語教育に物申す!英語が好きになるアプリ「マグナと不思議な少女」
- #2ソフトバンクでゲーム事業を学び独立-人生はすべてが小さな因果でつながっている-
- #3ガンホー孫泰蔵との再開-「マグナとふしぎの少女」制作の前身-
目次
今回対談するふたり
マグナとふしぎな少女のダウンロードリンクはこちら
英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」とは
英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」は、ハイクオリティの3Dアニメーションとゲームで楽しみながら英語を学習できる本格英語学習アプリです。
フル3D・フルボイス・表情・シナリオの細部までこだわって作られている圧倒的なストーリーは、子供から大人までもが心を掴まれます。
もちろん英語学習面もこだわりが詰まっています。
英語を話すキャラクターから私たちが日本語を学んだように英語を学ぶことができるので、自然と英語を理解したいという気持ちが生まれます。
そんな「マグナとふしぎの少女」の誕生秘話からアクションやキャラクターにこだわった理由まで、今回のインタビューで詳しく聞いてきました。
それではさっそく取材内容を見ていきましょう!
英語を学びたいと思ってもらうための仕組みづくり
片山さん
ゴン
ストーリーに引き込まれながら自然と分かってくる流れになっていますよね。
片山さん
ちょうど今、新しい事業としてオンライン英会話を準備しているのですが、どうしても英語を教えすぎようとしてしまうんですよね・・・
ゴン
片山さん
分からないことがあったら、もやもやするし、積み残すのは気持ち悪い。だから100%その瞬間に分かることだけで学ばせようとするんです。
その気持ちも考え方も、学習方法も分かる。理解できます。そういう英会話サービスも山ほどあります。
でも、自分の方は、その考えとは別で、一貫していかに面白く取り組めるかと言うことの方を重要視しています。具体的に言うと「特に英語を学びたいと思ってもいない人の視点で、英語を学ぶとはどういうことか? どうなったら自発的に学べるか? 楽しくやれるか。やりたいと思うのか?」ということ。
だから、100%答えが分かりきった問題なんて、面白くもなんともないんですよ。
逆でしょ?分からない事があるから興味を持つんです。答えを教えてほしいわけじゃない。
英語を学びたいと思ってもいない人がいかにして英語に興味を持って、自分からこれおもしろい!って言ってもらえるようになるのかを大事にしているし、ここのポイントはたとえ英会話学習サービス一つでもゆずれない。
This is a pen.って言いたいこと?
片山さん
一方で、(自分の時代の)教科書は「This is a pen.」とか書いてあった。りんごの場合には「This is an apple.」(これはりんごです)
・・・いつその英語つかうんだよ!? 見れば分かるじゃん(笑)。
aかanかなんて、どうでもいいんだよ!って思ってしまう訳です。
まぁ、これは極端な例ですが、英語なんて必要になったらそのフレーズや単語を新たに覚えればいいだけなのに、なぜか英語を教えたい・学ばせたいという人の思考回路は、30年以上前からなんら変わらない、教えようとしすぎる学習順序に戻ろうとする。自分が習ってきたことを教えようとする。
もちろん、それを全部否定するつもりはないですけど、僕がやりたいのはそうじゃないし、それでどれだけ多くのポテンシャルある人を挫折に追い込んできたんだと。罪深いですよね。
日本人の英語教育は、ある種の洗脳から解かないと、いつまでも遠回りばっかりしているぞと。話したい英語が一生学べない。
アンラーン、アンラーニングしないといけないよねということを一貫して言ってます。
固定観念に縛られない「アンラーン」を意識する
ゴン
片山さん
参考:アンラーンとは
片山さん
勉強は、学力と精神力を鍛えるために、机に座ってするもの。教科書やドリルを使ってやることで、反復練習を繰り返し短期的に効率よく学べる・・・とか。
こういった固定観念を一旦全てアンラーンして、我々日本人のように英語をゼロから学ぼうとする者たちにとって、本当に必要な英語学習環境は何か?を考え続けてきました。
「マグナとふしぎの少女」を企画する時も、学習のセオリーや固定観念に縛られないことを意識して設計しています。まずは自分たちがアンラーンしないと、今までと同じ学習メソッドの焼き直しになりかねない。
それを解き放つためにもアンラーンということを一貫して意識しようということです。
ビジネスで例えると「アウト・オブ・ボックスシンキング」っていう考え方がありますよね。これも固定観念にとらわれずに自由に発想しよう、と言う意味ですが、そういうことです。
片山さん
そこを探すのを1〜2年ぐらいあれこれ考え込んでいました。
それが今のようなストーリーの演出につながっていたり、アプリ自体の構成になっています。
ゴン
片山さん
そもそもこのアプリをプレイする人、子供にプレイさせようとしてくれる大人の人をイメージして。自分たちが作る意味や意義ってなんだろうなって考えた時に、大学受験とか就職のためじゃないよなと。
最後は、結局、言葉の壁や文化の壁を超えて、世界中の人と直接話せるっていいよね、ワクワクするよねっていう。そういうコンセプトを実現したいというところが大きかったと思います。
とはいえ、それはそうなんだけど、でもそれをどうやったら、日本に住んでてできるのか? 特に子供たちがそうだけど、興味を引き込めるのかということ、そこを最初も今もずっと考えていることです。
で、結局、「つまりは、ラピュタだ!」ってなって(笑)。
今の物語の導入形が出来上がりました。
空から謎の言葉をしゃべる不思議な少女「レイ」が降ってくるという流れ。
天空の城ラピュタ
宮崎駿監督の長編アニメーション映画。もはや説明不要の名作ですが、青い石のペンダントを所持した少女シータが空から転落してきたところ、鉱山で働く少年バズーと出会うところからはじまる物語活劇。
ゴン
片山さん
ところで、まずは英語を学習するにあたって、1番必要なことって何だと思います?
それは、「話し相手」です(当たり前だけどw)。
だから、話したい相手がみつからないといかんねと。
話し相手が見つかれば、話したいことがみつかる。そこから広がる。英語を学びたいわけじゃなくて、その人の事を知りたい、その人とコミュニケーションをとりたい。自分が伝えたいことを話したい。結果、英語を学ぶんだ、と。
そういうシチュエーションを意図的に作る。それが「マグナとふしぎの少女」の中でも意識していることですし、今準備している英会話の事業もその一貫です。
特に日本人にとって一番難しいのは、日本にいながらにして、英語の話し相手を見つけること。英語の学び方は、実は二の次です。
ゲームは虚構の世界ではあるけどだからこそ自由。そこで主人公カイと一緒に話したい相手を見つけ、言葉の壁こころの壁をこえて冒険していく。そこに共感してもらえたら、英語を学ぼうとする意欲や、もっと広い世界を知ってみたい!といった気持ちを育むお手伝いができるのではないかと思って、ゲームのストーリーやアプリの構成を企画してます。
で、結果、空から英語を話すふしぎな少女を、落として来たわけです。
ゴン
「マグナとふしぎの少女」が生まれた原点
設計者の学生時代
ゴン
片山さん
新学期に教科書を配られたら、授業中は先生の話聞かずに教科書をずっと読んでましたね。教科書は面倒くさいのでお家に持って帰らず、授業が退屈だったので、教科書を読む方が楽しいと思って、読んでいたんです。
ゴン
片山さん
だから自分にとって、学校の先生の授業はほとんどが復習にはなるんですよね。教科書を先に読んでるから。
ゴン
片山さん
ゴン
英語との出会い、はじめての挫折
片山さん
まぁ、そんな感じで小学生時代は何の苦労もなく家でも一切勉強せずに学校の成績は良い方でした。でも、中学になって衝撃を受けたのが英語の教科書でした。
ゴン
片山さん
たとえば、ピーターがテニスをするとか、これはペンですとか、その衝撃。
ピーターの事なんて、一ミリも興味が湧かない!
なんだこれは・・・と。
英語の教科書がつまらなすぎだし、当然、授業も本当に面白くないわけです。
そこで教科書を読むのもやめてしまう。当然英語も分からなくなる。結果、人生ではじめてテストができないということを体験したんです。
それまではテストができないとか、勉強ができないという経験がありませんでしたが、英語だけは全く点数が取れなかったんですよ。それは当然ですよね。
それでも授業はほぼ毎週あるわけですから、勉強が分からないことを強制される人の気持ちを体験して、こんなに苦痛なんだということを体験しました。1コマ40分位の授業が、無限の長さのように感じるんです・・・
ゴン
片山さん
僕は長男ですが、当時の親としては子育てを模索中のときです。小学校6年のときに学校と母親との三者面談で、もっと勉強しとけばいいところにいけるということを言われていて、その頃から●大セミナーという、中学受験を目的とした塾に通わされたんですよ。
けれど、そこにいる先生が竹刀持っている先生で、ことあるごとにそれでぶっ叩きまくるわけです。それで勉強が死ぬほど嫌いになった(笑)。今じゃあり得ない光景ですが、昔はそれが当たり前でしたからね。
僕はモチベーションでパフォーマンスが大きく変わるタイプだったので、そのストレスが溜まり切っていた所に、英語という退屈極まりない授業が現れて・・・。
中学1年生のときが、勉強へのモチベーションはもちろん、心もシャットダウン状態でした。
英語嫌いから英語が好きになったきっかけ
ゴン
片山さん
そんな勉強に対してすべてのやる気をなくした状態だったので、塾も全部やめて、勉強もほとんどやらなくなって。遊んでばかりいました。
そんな中学1年の2学期の頃に、仲のいい友達が行ってた近所の英語塾があったんです。その友達と遊びたいがために、その英語の塾に行かしてもらうことになったのですが、そこでなぜか英語ができるようになったんですよ。
ゴン
片山さん
今改めて振り返ってみると、多分褒めるのが上手だった気がします。嫌な記憶が1つもないんですよ。
ゴン
片山さん
その証拠に3学期になると、その塾の先生に呼び止められて、「君、卒業。君は英語ができるから卒業。」って言われた。わずか3ヶ月ちょっと。そこからは英語に対する苦手意識が消えてしまっていて、結果他の教科の点数も自然と戻ってきたんですよ。
ゴン
片山さん
だから英語で最初に好きになったのがアルファベット。その筆記体で自分の名前だけをノートなども無意味に筆記体で書きまくっていた。
でも良く考えたら当時、アルファベットすら覚えてなかったんですよね。
アルファベットを覚えていないのに、英語の教科書が読めるわけがない。
逆に言うと、アルファベット覚えたら、教科書も結構読めるようになって来たんですよ。
そしたら、日本の音楽って結構英語の単語やフレーズがたくさん入っているじゃないですか。ああ、なるほど、この歌詞はこういう意味なのか!ってなって、どんどん英語が楽しくなっていった記憶があります。
これが大事なきっかけでもあるんじゃないかなって思っています。
ゴン
英語の仕事に就きたいと考えるようになった高校生時代
片山さん
英語は楽しかったけど話し相手がそこにいるわけじゃないし、高校でもほぼ受験だけだったし。実際使う機会もほとんどなかったですけどね。
ゴン
片山さん
ゴン
片山さん
働くことを意識したときに、どういう大人になるかなと。なんとなく日本の中だけに閉じこもるよりも、世界の人とお付き合いしたいとなんとなく思う気持ちが強かった。
高校生になったときは決めてませんでしたが、なんとなくそういう方向性はあったんでしょうね。
だから第一希望の大学は外国語大学でしたけど・・・
結局は受験に失敗しちゃって、たまたまひっかかった法学部に行って、すっかり4年間遊んで大学時代が終わってました(笑)。
英語とは無関係な就職時代
ゴン
片山さん
当時はPlayStation全盛期で、僕も「プロデューサーになりたい」と思ってゲーム企業をうけまくって幸いにうかりました。
ゴン
片山さん
そもそもテクモに入社したのは、当時「ゲームプロデューサーコースを作るから、お前らは一期生になる」って聞いていたから、入社したんですよ。
そうして、入社したら、配属された部署は総務人事部で、最初にやった仕事が株主総会の雑用でした(笑)。
ゴン
片山さん
でもそれが僕は一切肌に合わなくて、入社3日目で人事に、「プログラムに興味がないです。営業にいかしてくれないか」と直談判したんですが、ダメですって言われて(笑)。研修が終わった3ヶ月目に、ちょうどIPO(株式公開)準備中で欠員があった、総務人事部に配属されていったという経緯でした。
ゴン
次回記事告知
今回の取材では、片山社長の英語学習に対する強い思いをお話いただきました!
次回は片山社長がテクモを退職して、ソフトバンクに入社して独立するまでの経緯を語ってくださいました!あの孫正義のエピソードも!
面白い内容になっているので期待していて下さい!
英子
英夫
第2部はこちら:ソフトバンクでゲーム事業を学び独立-人生はすべてが小さな因果でつながっている
また、取材のきっかけになった、英語物語の開発者ゴンが英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」をやってみた感想はこちらからどうぞ。
最終更新日:2021年4月8日
ゴン
でも、学習ソフトの1つとしては、あるべき学び方だよね。学校教育からはずれているんだけど、理にかなっている。まずはなにより、オープニングのアニメーションは、なんと字幕なしで映像が流れてくるという衝撃とかもとにかくすごい。