TOEFL ITPのスコアの目安は?換算表や勉強法を解説!
TOEFL ITPとは、非英語ネイティブの英語力を測る団体向けのテストです。日本でも500以上の団体で成績評価や入試などに活用されており、学生には重要なテストとなりつつあります。
ITPで良いスコアを取りたいけど何点ぐらいを目指せばいいか分からないという方へ、TOEFL ITPスコアの目安を解説します。ほかのテストとの換算表や勉強法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
TOEFL ITPは団体向けの英語テスト
(引用:TOEFL ITPテスト専用Webサイト)
TOEFLとは「Test of English as a Foreign Language」の略で、 非英語ネイティブの英語力を測るテストです。中でもITPとは「Institutional Test Program」の略で、団体向けのテストを指します。
個人のテストはTOEFL iBTとなり、ITPを個人で受験することはできません。日本では大学や高校など全500以上の団体が、クラス分けや成績評価、入試、留学関連など様々な用途でTOEFL ITPを活用しています。
TOEFL ITPは、日本の学生の成績や進路にも影響する重要なテストとなりつつあります。
TOEFL ITPのテスト構成
TOEFL ITPにはLevel 1、Level 2の2種類があり、Level 1のテストが主流です。Level 1のテスト構成は以下のようになっています。
セクション1:リスニング理解力 (約35分) |
● 北米の標準的な英語を聞き取るリスニングテスト ● Part A、B、Cに分かれており、全50問 ● Part A:2人の間の会話を聞き取る ● Part B:Aより少し長い会話を聞き取る ● Part C:Aより短めの会話を聞き取る ● 解答は4つの選択肢から選ぶ |
セクション2:文法と文章表現 (25分) |
● 標準的な文章力や文法知識を問う ● 全40問 ● 前半では文中の空欄に語句を補って正しい文章を完成させる ● 後半では文中の誤った表現を選択する |
セクション3:リーディング理解力 (55分) |
● 大学の授業を想定した文章の読解力を測る ● 全50問 ● 学術分野に関連した問題だが、文章さえ読めれば専門知識は必要ない |
(参考:TOEFL ITP® テストの内容)
全115分、140問で、スコアは最低点が310、最高点が667です。Level 2のテストは、Level 1のスコアが500点以下の受験者を対象に、問題数や時間を少なくして行われています。
TOEFL iBTとの違い
TOEFLには団体向けのITPと、個人向けのiBTがあります。ITPとiBTにはどのような違いがあるか以下にまとめました。
ITP | iBT | |
テスト内容 |
1. リスニング 2. リーディング 3. 文法 |
1. リスニング 2. リーディング 3. ライティング 4. スピーキング |
テスト形式 | ペーパー | パソコン(オンライン) |
スコア | 310~667 | 0~120 |
試験時間 | 約2時間 | 約3時間 |
受験料 | 数千円(受験者数によって変動) | 235USドル |
申込み方法 | 学校や職場など団体を通して申込み | オンライン、電話、郵送で個人で申込み |
ITPはテスト内容が少ない分試験時間が短く、料金も団体料金で安くなるのが特徴です。
一方、個人で受験するiBTは受験料は高いですが、テスト内容が充実しており、英語力を総合的に測ることができます。
TOEFL ITPのスコアの目安は?
310点から667点満点の間で判定されるTOEFL ITPスコア。ここでは、TOEFL ITPのスコアの目安となる指標をいくつかご紹介します。
自分のスコアがどれぐらいで、目指すべきスコアはどれぐらいかということが明確になるので、ぜひ参考にしてみてください。
TOEFL ITPのスコアが表す英語レベル
TOEFL ITPのスコアは、一体何点でどのぐらいの英語レベルになるのでしょうか?
TOEFL ITPの主催団体ETSが提示する、スコアに応じた英語レベルをご紹介します。
スコア | 英語レベル |
627~677 |
● 短い学術的な講義や会話の中で、本質的なアイディアや抽象的な語彙を理解できる ● 学術的な文章から詳細な情報を理解できる ● 複雑な文法や、文法の誤りに気付ける |
543~626 |
● 短い会話の中で情報を結び付けることができ、情報が強調されれば、長い講義や会話でも主要なアイディアを特定できる ● 学術的な文章の中で、明確に述べられた情報を理解できる ● 基本的な文法を理解している |
460~542 |
● よく使われる語彙や表現を含む会話で、強調された言葉を理解できる ● よく使われる語彙を含む簡単な説明文章を理解できる ● 動詞や不定詞、分節などの使い方が理解できる |
337~459 |
● 簡単な語彙を含む短い会話もしくは文章で、強調された情報が理解できる ● 簡単な文脈の中で、適切な動詞の時勢や単数形、複数形を選べることがある |
(参考:測定するレベル)
TOEFL ITPの平均スコア
TOEFL ITPの平均スコアも、自分の位置を知ることができる目安の1つです。
ETSが公開しているデータから、TOEFL ITPの平均スコアをご紹介します。
グループ | セクション | 合計 | ||
1 | 2 | 3 | ||
全体 | 48 | 45 | 47 | 469 |
カナダ | 59 | 57 | 56 | 575 |
オーストラリア | 59 | 56 | 57 | 572 |
フィリピン | 57 | 56 | 53 | 552 |
中国 | 50 | 48 | 48 | 488 |
韓国 | 51 | 47 | 49 | 492 |
日本 | 47 | 45 | 47 | 465 |
(参考:Test and Score Data Summary for the TOEFL ITP® Test)
世界全体の平均スコアは469点で、日本は世界平均を下回っています。英語を第一言語とするカナダやオーストラリアは世界平均より100点以上高く、アジアでは英語レベルが高いフィリピンも高得点です。
日本の隣国、中国や韓国も世界平均を上回っています。世界に通用する英語力を目指すなら、少なくとも日本の平均スコアよりは上を目指しましょう。
英検・IELTSへの換算表
TOEFL ITPは他のテストに換算すると何点ぐらいになるのでしょうか?
こちらでは、英検とIELTSに換算した表を作成しました。世界中で利用されている英語能力の指標「CEFR」をもとに比較しています。
TOEFL ITP | 英検 | IELTS | CEFR |
– | – | 8.5~9.0 | C2 |
627~677 | 1級 | 8.0~7.0 | C1 |
543~626 | 1級、準1級 | 6.5~5.5 | B2 |
460~542 | 準1級、2級 | 5.0~4.0 | B1 |
337~459 | 2級、準2級 | – | A2 |
– | 準2級、3級 | – | A1 |
(参考:各資格・検定試験とCEFRとの対照表)
英検やIELTSを受験したことがある人は、ぜひ参考にしてみてください。
学年別のTOEFL ITPスコア換算表
英検は日本の学習指導要項に沿って設計されているため、英検の級に対応するTOEFL ITPスコアを見れば、どれぐらいの学年に対応しているかも分かります。
TOEFL ITP | 英検 | 学年 |
627~677 | 1級 | 大学上級程度 |
543~626 | 1級、準1級 | 大学中級程度 |
460~542 | 準1級、2級 | 高校卒業程度 |
337~459 | 2級、準2級 | 高校中級程度 |
(参考:各級の目安、各資格・検定試験とCEFRとの対照表)
最低スコアである337~459で高校生中級程度なので、高校生には少し難易度が高いテストと言えそうです。大学生であれば542点以上を目安にしてみましょう。
目的別のTOEFL ITPスコア換算表
TOEFL ITPスコアを何に使うかによっても、目安のスコアは変わってきます。こちらでは、ETSが提示している情報をもとに、TOEFL ITPの目安スコアを目的別にまとめました。
目的 | TOEFL ITP |
海外留学(学部) | 500以上 |
海外留学(大学院) | 550以上 |
国内大学院進学 | 500以上 |
ビジネスで「役立つ」レベルでの使用 | 550 |
ビジネスの専門的なレベルでの使用 | 600 |
(参考:大学生に求められるTOEFL ITP® テストスコア)
海外留学を目指している人は、少なくとも500以上は取得したいところです。海外留学は目指していなくても、550を取得しておけば、ビジネスの場で英語スキルをアピールできます。
将来ビジネスの場で活躍できる人材になるためにも、TOEFL ITPスコアは500以上を目指しましょう。
TOEFL ITPのスコアを上げる勉強法は?
TOEFL ITPスコアの目安が分かったら、目標スコアを決めて勉強していきましょう。自分の現在のスコアと目標スコアの差を埋める適切な対策が必要です。
こちらでは、TOEFL ITPスコアアップのための勉強法をご紹介します。自分に合った勉強法で、弱点を克服していきましょう。
①英単語を覚える
TOEFL ITPのスコアアップには、英単語の暗記が欠かせません。なぜなら、TOEFL ITPのテストは大学の講義など学術的な場面を想像しており、通常の英会話では使わない単語がたくさん出てくるからです。
単語を知らなければ問題を解くこともできないので、単語は新たに覚えていく必要があります。TOEFL ITPの単語集は様々な種類が販売されていますので、自分に合ったものを選ぶことが可能です。
単語集以外にも、現在はTOEFL単語のアプリも開発されており、スマホで手軽に単語学習ができます。移動時間を有効活用して、TOEFL ITPの英単語をできるだけ多く覚えていきましょう。
②問題集を解く
TOEFL ITPのスコアを上げるには、問題に慣れておくことが必要です。問題集を解き、出題形式に慣れておきましょう。
問題集は公式問題集など書籍版のほか、TOEFL iTPのホームページでもサンプル問題が入手可能です。
問題数は限られていますが、TOEFL ITPをまだ受験したことがない人などは活用してみるとイメージが湧きやすいでしょう。1度だけではなく何度も解くことで、自分の苦手分野も見えてきます。
何度も間違えてしまう部分を丁寧に復習して、苦手分野を克服することがスコアアップへの近道です。
③発音練習をする
TOEFL ITPのスコアアップには発音練習も大切です。なぜなら、英単語の発音を磨くことでリスニングも聞き取りやすくなるからです。
英語には日本語にない発音がたくさんあるため、日本人はなかなか英語を聞き取ることができません。ですが、自分自身の発音を磨けば聞き取れる発音の幅も広がり、リスニング力もアップするのです。
また、発音が良くなると英語自体が読みやすくなるので、リーディングのスピードアップも期待できます。TOEFL ITPのテスト項目にはスピーキングがないため多くの人が発音をおそろかにしがちですが、実は発音はリスニングやリーディングにも効くのです。
TOEFL ITPこそ丁寧に発音練習をして、周囲と差をつけましょう。
まとめ:TOEFL ITPのスコアは500が目安!勉強してスコアを上げよう
TOEFL ITPとは、非英語ネイティブの英語力を測る団体向けのテストです。日本の500以上の団体が、クラス分けや成績評価、入試、留学関連といった様々な用途でTOEFL ITPを利用しています。
テストはリスニング、リーディング、文法の3項目からなり、スコアは310~667点満点です。TOEFL ITPスコアの目安としては、日本の高校卒業程度で460~542点、海外留学(学部)で500点、ビジネスで「役立つ」レベルでの使用で550点などとなっています。
留学をしなくても、社会人として世界で戦える人材になるにはTOEFL ITPは500点あたりが目安です。単語帳や問題集、発音練習を通して、TOEFL ITPのスコアアップを目指しましょう。
最終更新日:2021年4月16日