TOEFL ITPとiBTの違いとは?受験方法や内容などを徹底比較
TOEFLにはITPとiBTがありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、TOEFL ITPとiBTの違いを解説します。
ITPとiBTでは、受験方法やテスト内容のほか、活用のしやすさにも違いがあります。
TOEFL ITPとiBTの受験に迷っている方の手がかりとなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
TOEFL ITPとIBTはどちらも英語テスト
TOEFLとは「Test of English as a Foreign Language」の略で、英語を母国語としない人の英語力を測るテストです。
1964年にETSが開発し、現在150ヶ国、11000以上の大学・機関で利用されています。
開発当初はペーパーテストのPBT(Paper-Based Test)から始まり、1998年にはコンピューターで受験するCBT(Computer-Based test)へ移行。
2005年から、CBTをさらに改良したiBT(Internet-Based Test)へ移行されました。
ITPは「Intstitional Testing Program」の略で、団体限定のTOEFLテストです。
PBTで利用されていたペーパーテストを基に構成されています。
これらの中で現在も利用されているのは、TOEFL iBTとITPのみです。
各テストの詳細はこちらの記事(TOEFL iBTは何点取ればいい?スコアの目安を解説!)でも解説しているので、ぜひご覧ください。
TOEFL ITPとIBTの違いとは?
現在利用されているTOEFL iBTとITPには、どんな違いがあるのでしょうか?
主に、以下のような違いがあります。
詳しく見ていきましょう!
【受験方法】TOEIC ITPは団体、iBTは個人
TOEFL ITPとiBTの違いの1つに、申し込み方法があります。
TOEFL ITPは団体限定のテストなので、個人での申し込みはできません。
受験する際は、学校や企業が全受験者分をまとめて申し込みます。
受験日も決まっておらず、学校や企業によって異なるのが特徴です。
一方、TOEFL iBTは個人で申し込むことができます。
TOEFL iBTのホームページから開催日を確認し、そのままオンラインもしくは電話・郵送で申し込み可能です。
ただし、iBTはITPよりも受験料が高くなります。
ITPの受験料は合計人数によって変動しますが、大体数千円が目安です。
一方のiBTの受験料はUS$235で、約25,000円かかります。
ITPは個人で自由に申し込めないけど受験料が安い、iBTは個人で自由に申し込めるけど受験料が高いといえそうです。
申し込み方法についてはこちらの記事(TOEFLの申し込みの方法って?申し込み手順とポイントを徹底解説)で詳しく解説しています。
【内容】TOEFL ITPはiBTより難易度低め!
TOEFL ITPとiBTは、テスト内容も異なります。
ITPはリスニング、文法、リーディングの3セクションからなるテストです。
310点~677点満点で、3セクション合わせて約2時間で終わります。
PBTで使われていた問題を再構築しており、全て選択問題です。
一方のiBTは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションからなります。
0点~120点満点で、4セクション合わせて3時間以上かかるテストです。
リーディングとリスニングは選択問題ですが、スピーキングとライティングは自分で英語を話し、書くことになります。
両者を比較すると、TOEFL ITPは出題範囲が少なく、TOEFL iBTは出題範囲が広く難易度が高いことが分かります。
iBTはその分、より実践的な英語力を測れるテストだといえるでしょう。
TOEFL iBTとITPの詳細はこちらの記事(TOEFLって?TOEFLの日程・iBTとITPの違いを解説!)でも解説しています。
【活用しやすさ】TOEFL ITPは非公式、iBTは公式
TOEFL ITPとiBTは、そのスコアをどのように活用できるかにも違いがあります。
TOEFLのスコアには、公式スコアと非公式スコアの2種類があります。
公式スコアとは、TOEFL主催団体ETSのアメリカ本部から直接送付されるスコアのことです。
一方の非公式スコアとは、それ以外の委託先などで採点したスコアを指します。
TOEFLの公式スコアはiBTのみで、ITPはETSから委託を受けた非営利団体CIEE JAPANが採点を行う非公式スコアとなります。
そのため、海外留学などでは非公式スコアであるITPスコアは成績として受理されないことが多いです。
国内では英語力の指標としてITPも活用できますが、海外の場合は公式スコアのiBTを取得した方が活用しやすいといえます。
TOEFL ITPとiBTの比較表
TOEFL ITPとiBTの違いを、分かりやすく表にまとめました。
「結局どちらがいいんだ?」と判断に迷った場合の参考にしてみてください。
ITP | iBT | |
---|---|---|
申し込み | 団体のみ | 個人でも可 |
日程 | 団体による | 開催日から希望日を指定 |
受験料 | 数千円 | 約25,000円 |
テスト内容 | 1. リスニング 2. 文法 3. リーディング |
1.リーディング 2. リスニング 3. スピーキング 4. ライティング |
問題形式 | 全て選択問題 | リーディングとリスニングは選択問題、スピーキングとライティングは英会話と記述 |
スコア範囲 | 310~677点 | 0~120点 |
テスト時間 | 約2時間 | 3時間以上 |
公式/非公式 | 非公式 | 公式 |
海外での採用 | △ | 〇 |
TOEFL ITPとiBTの勉強方法
TOEFL ITPとiBTはテスト内容が異なるため、勉強内容も異なります。
リスニングとリーディングは双方に共通していますが、ITPでは文法、iBTではスピーキングとライティングの対策が必要です。
それぞれの内容に合った勉強方法でスコアを伸ばしていきましょう。
詳しい勉強方法を以下で解説していきます。
1. 単語帳と問題集を活用する
英語学習の基本は、英単語の暗記です。
文法が分からなくても、英単語を知っていれば大まかな意味が理解できます。
特にTOEFLは大学の授業を想定しており、学術的な単語が多いので、単語を知らなければ全く問題が解けません。
TOEFL ITPもiBTも、まずは英単語を暗記することから始めましょう。
TOEFLの英単語帳は「TOEFLテスト英単語3800」が広く支持されています。
英単語の暗記と並行して行うべきなのが、TOEFLの問題演習です。
TOEFLの問題に慣れておくことで、本番も冷静さを保つことができます。
ETSでは、TOEFL ITPとiBTそれぞれの公式問題集と過去問集を販売しています。
ITPの教材ページやiBTの教材ページを参考に、自分に合った問題集を解いてみましょう。
2. TOEFL ITP・iBTのリスニング・リーディングを勉強する
TOEFL ITP・IBTに共通しているセクションが、リスニングとリーディングです。
まずはそれぞれの問題パターンを把握し、どのような能力が求められるかを理解しましょう。
ITPリスニング・リーディングの問題パターンはこちらの記事(【2020年版】TOEFL ITP対策|セクション攻略でスコアUP!)から、iBTリスニング・リーディングの問題パターンはこちらの記事(【2020年版】TOEFL iBT対策方法をセクションごとに解説!)からご覧いただけます。
同時に、ベースの英語力を上げる必要があります。
リスニング力を上げるには発音練習やシャドーイング、速聴といった方法が効果的です。
リーディング力を上げるには多読やサイトトランスレーションといった方法があります。
それぞれ、ITPの勉強法を解説したこちらの記事(【完全攻略】TOEFL ITPの勉強法|スコアと英語力を確実に伸ばす!)や、iBTの勉強を解説したこちらの記事(【保存版】TOEFL iBTの勉強法を徹底解説!)で詳しく解説しているので、ぜひ実践してみてください。
3. TOEFL iBTのスピーキング・ライティングを勉強する
スピーキングとライティングは、TOEFL iBTだけにあるセクションです。
スピーキングは、試験官に提示された2つの選択肢から意見を述べる「Independent Speaking Tasks」1問と、その場で与えられる情報から意見をまとめて述べる「Integrated Speaking Tasks」からなります。
ライティングは、リーディングとリスニングの情報をサマライズする「Integrated Writing Task」1問と、テーマに関する意見を書く「Independent Writing」1問です。
こちらの記事(【2020年版】TOEFL iBT対策方法をセクションごとに解説!)を参考に、それぞれ対策を立ててみてください。
英会話レッスンやサマライズ練習、言い換え練習などで、短時間で意見を述べる練習ができます。
スピーキングは発音も重視されるので、発音練習やシャドーイングも効果的です。
こちらの記事(【保存版】TOEFL iBTの勉強法を徹底解説!)を参考に、スピーキング力・ライティング力を伸ばしてみましょう。
4. TOEFL ITPの文法を勉強する
TOEFL ITPだけにあるセクションが、文法です。
文法セクションは25分で40問を解く必要があります。
全て選択問題で、いかに素早く解けるかが重要です。
こちらの記事(【2020年版】TOEFL ITP対策|セクション攻略でスコアUP!)に文法の詳しい対策方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも文法の知識が足りない場合は、文法の習得が必要です。
基本5文型をもとにすれば、細かな文法も楽に覚えることができます。
詳しい文法の種類を知りたい方は、こちらの記事(【完全攻略】TOEFL ITPの勉強法|スコアと英語力を確実に伸ばす!)をご覧ください。
まとめ:TOEFL ITPとiBTの違いは申し込み方法やテスト内容!必要な英語力を身につけよう
TOEFL ITPとiBTは、英語を母国語としない人を対象としたETS主催の英語テストです。
ITPは団体からのみ申し込み可能で、iBTは個人でも申し込むことができます。
ITPは日程が団体によって異なり、iBTは開催日程が決まっているのも特徴です。
テスト内容はITPがリスニング、文法、リーディングの3セクションであるのに対し、iBTはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションあります。
スコアの種類も公式と非公式に分かれ、iBTはETSのアメリカ本部が直接採点するため公式スコア、ITPは日本の委託先CIEE JAPANが採点するため非公式スコアです。
自分に合う方を受験し、テスト内容に対応した勉強でスコアを伸ばしましょう。
最終更新日:2022年8月8日